海外旅行でクレジットカードを使う予定がある場合、「出発前にカード会社へ事前連絡したほうがいいのか」「海外でカードが止まったらどうしよう」と不安に感じる人もいるでしょう。
- 海外旅行前のクレジットカード会社への事前連絡は必須ではない
- 高額決済・普段使わないカードの利用では、事前連絡しておくと安心
- 利用枠・暗証番号・有効期限の確認も忘れずに
この記事では、海外旅行前にクレジットカード会社へ事前連絡すべきケース、連絡時に伝える内容、事前連絡してもカードが使えない場合の対処法を解説します。海外旅行先でクレジットカードを安心して使いたい人は、出発前の準備として確認しておきましょう。


監修者の紹介
公認会計士・税理士:重松輝彦。
中央青山監査法人、あずさ監査法人という4大監査法人で経験を積み、平成24年8月に重松輝彦公認会計士事務所を設立。お金に関する専門用語を分かりやすく解説し、節税サポートなども得意とする。
海外旅行前にクレジットカード会社への事前連絡は必要?

海外旅行前のクレジットカード会社への事前連絡は、必ずしもすべてのカードで必要な手続きではありません。あくまでも海外でカードが使えないリスクを下げるための準備です。
次のようなケースでは、カード会社へ事前連絡しておくことで、現地での決済トラブルを防ぎやすくなります。
海外で高額な買い物やホテル決済を予定している場合
海外旅行では、ホテル代、航空券に加え、お土産品の購入など、普段よりも大きな金額をクレジットカードで支払うことがあります。
普段の利用金額と比べて高額な決済が海外で発生すると、カード会社が不正利用の可能性を疑い、取引を一時的に保留する場合があります。とくに、ホテルのデポジットやブランド品の購入などは金額が大きくなりやすいため注意が必要です。
高額決済を予定している場合は、渡航先、渡航期間、利用予定金額、利用予定のカードを事前に伝えておくと安心です。あわせて、利用可能枠に十分な余裕があるかも確認しておきましょう。
普段あまり使っていないカードを海外で使う場合
普段ほとんど使っていないクレジットカードを、海外旅行で急に使う場合も注意が必要です。
カード会社は、これまでの利用傾向と異なる取引を検知した場合、不正利用の可能性があると判断することがあります。国内での少額利用が中心だったカードを、突然海外のホテルや店舗で使うと、本人利用であっても一時的に利用制限がかかる可能性があります。
海外旅行用に新しくカードを作った場合や、サブカードを旅行中に使う予定がある場合は、事前にカード会社へ確認しておくとよいでしょう。
初めて海外でクレジットカードを使う場合
これまで海外でクレジットカードを使ったことがない人も、利用回数や金額が大きくなりそうな場合は事前連絡をしておいたほうが無難です。
国内利用が中心のカードを初めて海外で利用すると、カード会社から見れば普段と異なる利用パターンになります。とくに、出発直後に空港、ホテル、海外店舗などで連続して決済が発生すると、不正利用検知に引っかかる可能性があります。
初めて海外旅行でクレジットカードを使う人は、出発前にカード会社の会員サイトやアプリを確認し、海外利用に関する案内がないか見ておきましょう。
複数の国や地域を移動する場合
ヨーロッパ周遊や東南アジア周遊のように、短期間で複数の国や地域を移動する旅行でも、事前連絡しておくと安心です。
短い期間で利用国が何度も変わると、カード会社側で不自然な取引と判断される可能性があります。たとえば、数日のうちに日本、韓国、タイ、シンガポールなど複数の国でカード利用が発生すると、第三者による不正利用と誤認されることも考えられます。
複数国を移動する場合は、渡航先をまとめて伝えておくとよいでしょう。
家族カードを海外で使う場合
家族旅行で家族カードを使う予定がある場合も、事前に確認しておくと安心です。
カード会社によっては、海外旅行前にカード会社へ事前連絡する際、家族カードを含めて海外で利用予定のあるカードはすべて伝えるよう案内しています。
本会員カードだけでなく、配偶者や子どもが持つ家族カードを現地で使う可能性がある場合は、家族カードの利用予定も含めてカード会社へ伝えるとよいでしょう。
クレジットカード会社への事前連絡の進め方
カード会社への事前連絡は、出発日の1週間前には行っておくと処理がスムーズに進みます。直前の連絡では処理完了が間に合わない場合もあるので、余裕を持って連絡しましょう。
クレジットカード会社へ海外旅行の事前連絡をする際は、次のような情報を伝えるとスムーズです。
- 渡航先
- 渡航期間
- 利用予定カード
- 利用予定内容
- 高額決済の予定の有無
- 海外での連絡先
とくに、高額決済を予定している場合は、金額の目安や利用予定日を伝えておくとよいでしょう。カード会社によっては、海外利用の事前連絡ではなく、会員サイトやアプリ上での申請、チャット、電話での問い合わせなど、対応方法が異なります。
利用が本人であったかを確認するために電話でやり取りする場合もあります。海外通話が可能な携帯電話を用意しておくと良いでしょう。
クレジットカード会社への事前連絡方法
クレジットカード会社への事前連絡方法は、カード会社によって異なります。主な方法は、会員サイト・アプリ、チャットサポート、電話の3つです。
会員サイトやアプリから手続きする
一部のカード会社では、会員サイトやアプリから海外利用に関する手続きができます。24時間いつでも申請が出来るため、カード会社のコールセンターが営業時間外の場合や、急ぎの時でも手続きが行えるのがメリットです。
まずはカード会社の公式サイトや会員ページを確認しましょう。
チャットサポートで連絡する
カード会社によっては、チャットサポートで海外利用予定を伝えられる場合があります。
出発日が近い場合や、電話がつながりにくい場合は、チャットサポートを利用できるか確認してみましょう。ただし、チャットで対応できる内容や受付時間はカード会社によって異なります。
カード裏面の電話番号に連絡する
会員サイトやアプリで手続き方法が分からない場合は、クレジットカード裏面に記載されている問い合わせ先に連絡する方法もあります。
電話で問い合わせる際は、手元にクレジットカードを用意し、渡航先、渡航期間、利用予定内容を整理しておくとスムーズです。海外旅行前はほかにも準備することが多いため、出発直前ではなく、早めに確認しておきましょう。
海外旅行前に事前連絡以外で確認すべきこと

海外旅行でクレジットカードを安心して使うためには、事前連絡だけでなく、出発前にいくつか確認しておきたい項目があります。
利用可能枠に余裕があるか確認する
海外旅行では、航空券、ホテル、食事、ショッピング、現地ツアーなどで利用額が増えやすくなります。
とくにホテルでは、宿泊料金とは別にデポジットとして一定額の利用枠が押さえられる場合があります。利用可能枠に余裕がないと、現地でカードが使えなくなる可能性があるため、出発前に現在の利用額と利用可能枠を確認しておきましょう。
必要に応じて、一時的な利用枠の引き上げを検討するのも方法のひとつです。ただし、審査や手続きが必要な場合があるため、早めに確認しておくことが大切です。
暗証番号を確認する
海外では、クレジットカード決済時に暗証番号の入力を求められることがあります。とくにICチップ対応端末では、サインではなく暗証番号が必要になるケースがあります。
イオンカードの海外ショッピングに関する案内でも、海外、特にヨーロッパ各国のIC端末設置店でショッピングする際は暗証番号の入力が必要になると説明されています。暗証番号が不明な場合は、旅行の2週間程度前に手続きするよう案内されています。
暗証番号が分からないまま海外へ行くと、決済できない場面が出てくる可能性があります。出発前に必ず確認しておきましょう。
有効期限を確認する
クレジットカードの有効期限も、海外旅行前に確認しておきたい項目です。
旅行中に有効期限が切れるカードや、有効期限が近いカードは、ホテルやレンタカーなどの予約・決済で使えない可能性があります。カードの更新時期が近い場合は、新しいカードが届いているか、古いカードを持っていないか確認しましょう。
また、航空券やホテルを予約したカードと、現地で提示するカードが異なると確認を求められる場合もあります。予約時に使ったカードを旅行に持参するかどうかも確認しておくと安心です。
利用通知サービスをオンにする
海外旅行中は、不正利用や二重請求に早く気づくためにも、カード利用通知サービスをオンにしておきましょう。
利用通知を設定しておけば、カードを使った直後にアプリ通知やメールで金額を確認できます。身に覚えのない利用があった場合も、すぐにカード会社へ連絡しやすくなります。
海外では、日本円換算後の金額が後日確定する場合もありますが、利用通知によって大まかな決済状況を把握できるため、不安を減らすことにつながります。
複数枚のクレジットカードを用意する
海外旅行では、クレジットカードを1枚だけ持っていくのではなく、複数枚用意しておくと安心です。
1枚のカードが利用停止になった場合、磁気不良やICチップ不良が起きた場合、店舗が特定の国際ブランドに対応していない場合でも、別のカードがあれば支払いに対応しやすくなります。
Visa、Mastercard、JCB、American Expressなど、異なる国際ブランドのカードを組み合わせて持っていくと、使える店舗の幅が広がります。海外旅行向けのカードを選ぶ際は、海外旅行保険、海外事務手数料、国際ブランド、サポート体制も比較しておくとよいでしょう。
海外旅行前のクレジットカード事前連絡に関するよくある質問
海外旅行前の事前連絡は必ず必要ですか?
すべてのカードで事前連絡が必須というわけでは限りません。ただし、高額決済を予定している場合、普段使っていないカードを海外で使う場合、初めて海外でカードを使う場合は、事前に確認しておくと安心です。
事前連絡すればカードは必ず使えますか?
必ず使えるとは限りません。カード会社に事前連絡していても、利用金額、利用店舗、利用場所、取引内容によっては、不正利用検知システムが作動する場合があります。事前連絡は、利用停止の可能性を下げるための準備と考えましょう。
出発直前でも事前連絡できますか?
カード会社によって対応は異なります。チャットや電話で対応できる場合もありますが、申請内容によっては数営業日かかることもあります。海外旅行の日程が決まったら、出発の1週間前を目安に確認しておくと安心です。
家族カードも事前連絡が必要ですか?
家族カードを海外で使う予定がある場合は、事前連絡の際にあわせて伝えておくと安心です。家族旅行では、本会員カードだけでなく、配偶者や子どもが持つ家族カードの利用予定も確認しておきましょう。
海外でカードが止まったらどうすればいいですか?
まずはアプリ通知、SMS、メールを確認しましょう。本人確認の案内が届いている場合は、画面の指示に沿って手続きします。解決しない場合は、カード会社の緊急連絡先へ連絡し、別のカードや現金などの代替手段で支払いましょう。
事前連絡してもクレジットカードが使えないことはある?
海外旅行前にカード会社へ事前連絡しても、クレジットカードが必ず使えるとは限りません。
事前連絡はあくまで「利用停止の可能性を下げるための準備」で「絶対にカードが止まらない保証」ではありません。海外旅行では、1枚のカードだけに頼らず、複数枚のカードや少額の現金など、代替手段も用意しておきましょう。




執筆:虎の巻編集部
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