分割払いは、クレジットカードでお買い物をした際に、その利用代金を複数回に分けて支払う方法です。
分割払いの回数はカード会社によって異なります。
最小分割数は2〜3回払いであることが多く、最大分割数は24回もしくは36回払いといったケースが多く見られます。そして、分割回数が3回を超えると手数料がかかるのが一般的です。
分割払いは、ある程度高額な買い物の際に利用されるケースが多いため、利用したいけれども手数料が心配、という方もいらっしゃるかもしれません。
実際にどれくらいの手数料がかかるのか目安にはなるものの、この記事でも紹介していくのでご自身が利用する際に適しているのか、参考にしてみてください。
また、その他の支払い方法との違いについてやメリット・デメリットなどの特徴についても詳しく解説していきます。
クレジットカードの分割払いはどのような支払い方法?
普段、分割払いを利用しない場合、どのような仕組みか分からないこともあるかもしれません。
まずは、分割払いの仕組みについて詳しく解説します。
クレジットカードの分割払いとは?
冒頭でもお伝えしたように、クレジットカードの分割払いは複数回に分けて支払うことが可能です。
割賦販売法に基づき、最小2回払いから指定した回数に分けて支払うことができます。カード会社によっては最小回数が3回の場合もあります。
一方で、購入した代金を翌月に全額支払う1回払いや夏と冬のボーナス時期に合わせて支払えるポーナス払い、期限を延ばして払えるスキップ払いなどもあります。
分割払いは、最長24回〜36回と長い期間での返済が可能になるため、請求金額が安くなり無理なく支払うことができるのが特徴と言えるでしょう。
クレジットカードの分割払いの仕組み
分割払いの仕組みはそれほど難しいものではなく、購入代金に対して利用する分割回数で割った代金を支払うのが基本としての考え方です。
例えば、10万円の商品をカード決済した場合、1回払いであればカード会社所定の支払日に10万円支払います。
一方で、分割10回払いを利用した場合には、カード会社所定の支払日から1万円+手数料を10回で支払うことになります。
ここで注意が必要なのは、分割払いにはカード会社所定の手数料がかかるということです。
手数料については、設定されている金利がカード会社によって異なっています。
一概には言えないものの、実質年率12%〜15%の範囲で設定されていることが多く回数によって異なる場合もあれば、同じケースもあります。
回数が増えれば支払い期間が長くなるため、金利は変わらなくても支払う手数料が増えてしまうことに注意が必要です。
詳しくは、後述しているシュミレーションも参考にしてみてください。
何回払いまで手数料は無料?
前述したように分割払いには手数料が必要となります。
クレジットカードの全ての支払い方法に手数料がかかるというわけではなく、支払い方法によって手数料の有無が異なります。
手数料無料 | 手数料が必要 |
●1回払い ●2回払い ●ボーナス1回払い | ●分割払い(3回以上) ●リボ払い ●スキップ払い ●ボーナス2回払い |
上記のように、1回払いや2回払い、ボーナス1回払いであれば、調べた限りでは手数料はかからずに支払うことができます。
それ以外の支払い方法は、手数料がかかるため手数料が気になる方は覚えておきましょう。
クレジットカード分割払いとその他支払い方法の違い
クレジットカードの分割払いについて説明してきたものの、他にも多数の支払い方法があります。
分割払いと似たようなリボ払いや支払いの開始を遅らせることができるスキップ払いやボーナス払いなど、分割払いとの違いについて見ていきましょう。
リボ払いとの違い
分割払いとリボ払いの違いについては、分割払いは購入代金に対して◯回で支払う、というように回数を指定する支払い方法に対し、リボ払いは月々の支払い金額を指定する支払い方法です。
リボ払いでは、毎月支払う金額を1万円と設定した場合月々の支払いは1万円で固定されます。
月々の支払い金額が分かりやすいことがメリットと言えるものの、分割払いのように支払い回数が定まらない分、使いすぎると返済が長期になってしまう恐れがあります。
また、リボ払いは設定できる金額が3,000円からといったようにカード会社によってミニマムの金額が決まっており、利用額が増えるほど設定できる金額も高くなるため使いすぎには注意しなければなりません。
スキップ払いとの違い
スキップ払いは、翌月から支払うのではなく支払いを2ヶ月〜6ヶ月先延ばしで支払うことができる支払い方法です。
分割払いは毎月均等に月々の支払いを行うことに対して、スキップ払いはあくまで1回払いを2ヶ月後や半年後に先延ばしすることができるのが大きな違いになります。
スキップ払いにも手数料がかかり1ヶ月先延ばしすると実質年率15%というようなカード会社所定の金利が発生するため注意が必要です。
ボーナス払いとの違い
ボーナス払いは、年に2回夏と冬のカード会社所定の時期に応じてスキップ払いできる支払い方法です。
カード会社によってボーナス払いが使用できる時期が決まっており、利用可能な時期であれば手数料も無料でスキップ払いが利用できるのがボーナス払いのメリットと言えます。
例えば、12/15〜6/15までにボーナス払いをすれば8月に購入代金をお支払い、と言ったような利用が可能です。
12月に買い物した金額でも最大8ヶ月の支払いを先延ばしすることができ、しかも手数料が無料になります。
分割払いで同様に10回程度の支払いを利用するのであれば、手数料がかかる分ボーナス払いであれば手数料もかからないため、比較しながら利用することでより上手にクレジットを使うことができるでしょう。
クレジットカード分割払いを利用する方法
クレジットカードの分割払いを利用する方法について、シーンに分けて見ていきましょう。
クレジットカード利用時に利用する方法
基本的には、分割払いは支払い時のタイミングで分割払いを利用する旨の申請をすることで利用が可能です。
実店舗であればお店の方に何回で支払うのかを伝えることで、指定の分割回数の利用ができます。
ご注意いただきたいのは、保有しているカードの分割払いが利用できない回数の場合、カードの承認がおりない恐れがあります。
また、お店によっては1回払いのみしかカード決済できないお店もあるなど双方の条件を確認しておく必要があります。
事前に利用可能な回数や利用可能なお店かは知っておくとスムーズな決済が可能になるでしょう。
また、インターネットでの分割払いについても、実店舗と同様に購入時に支払い方法を選択して回数を指定することで利用が可能です。
注意点についても同様で利用できない店舗もあるものの、万が一利用できない場合でも分割払いを利用することはできます。
分割払いが利用できるカードであれば、後から分割払いに変更することもできるため、そちらの方法についても見ていきましょう。
クレジットカード利用後に変更する方法
クレジットカードで分割払いが利用できなかった場合や、1回払いで決済した後に分割払いに変更したい場合には、利用後に変更する方法があります。
変更する方法としては、利用後にカード会社の会員サイトやアプリ、または電話にて受付が可能です。
ただし、変更する場合には、変更したい購入代金の売上が請求確定になる前までに変更しなければなりません。
カード会社所定の期限までに申告する必要があるため、変更の際には早めに手続きするのが望ましいでしょう。
クレジットカードの分割払いのメリット・デメリット
クレジットカードの分割払いには、メリットがある反面、デメリットもあるため双方理解した上で、利用するのが望ましいです。
クレジットカード分割払いのメリット・デメリットや注意点について見ていきましょう。
クレジットカード分割払いのメリット
クレジットカード分割払いのメリットは、主に以下のようなことが挙げられます。
・月々の支払いを安くすることができる
・キャッシュを1度に使わずに済む
・高額な買い物でも計画的な支払い管理ができる
分割払いを利用することで、高額な買い物でも月々の支払いを分けて、かつ安く抑えて支払うことができることはメリットに感じられやすいでしょう。
支払額が多ければ当然手元のキャッシュを使うことになるため、カードの支払い以外にも悪影響する恐れがあります。
分割払いであれば、無理せずに1度にキャッシュを使わずに済むため適度な分割払いを利用することで、計画的な支払い管理をすることができるでしょう。
クレジットカード分割払いのデメリット
クレジットカード分割払いのデメリットは主に以下のようのことが挙げられます。
・金利による手数料の支払いが必要
・利用しすぎると月々の支払額の負担が大きくなる
分割払いは金利による手数料の支払いが必要になるため、通常の買い物よりも多くの金額を支払う必要があることはデメリットと言えます。
カード会社によっても異なるものの実質年率15%ほどの手数料がかかるため、その分追加でカード会社に分割して料金を支払うことになります。
また、金額が高額になるほど、月々の支払額の負担も大きくなるため、延滞するリスクが増えることもデメリットと言えるかもしれません。
クレジットカードの延滞は、信用情報の悪化による将来的なクレジットカードや各種ローンなどの審査に通らなくなることに繋がるため望ましくありません。
しっかりとご自身の支払える範囲で分割払いは利用していく必要があるでしょう。
クレジットカード分割払いの注意点
クレジットカード分割払いのメリット・デメリットを紹介してきた中で、便利な支払い方法であるものの注意して使う必要があることも覚えておく必要があるでしょう。
分割払いのデメリットを踏まえて、クレジットカード分割払いの注意点としては、以下の通りです。
・分割払いを複数利用しないようにする
・回数は可能な限り少ない回数で利用する
分割払いは、月々の支払いを安くすることができるものの複数の買い物に分割払いを利用してしまうと、結果的に月々の支払いが高額になる恐れがあります。
月に1万円ぐらいであれば返せる予定で利用した場合でも、複数利用することで月々の支払いが予定よりも高い請求金額になることで延滞してしまうことにもなりかねません。
また、長期的な分割払いはより月々の支払いを安くすることができるものの、その分支払う手数料が増えることも覚えておく必要があります。
分割払いを利用する際は、可能な限り少ない回数を利用することで、少しでも手数料の負担を軽減することができるため利用する際には意識しておくといいかもしれません。
クレジットカード分割払いの手数料シミュレーション
分割払いの注意点の中でも、少ない回数で利用することで手数料の負担を軽減することができる、とお伝えしました。
実際に、各回数ごとの手数料シュミレーションを参考に、どのくらい支払い手数料が異なるのか見ていきましょう。
※なお、手数料シュミレーションは実質年率12.25%〜15%で算出したもので、金額は全て税込表示となります。シュミレーションは楽天カード分割払い返済シュミレーションから引用
3回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 204円 | 10,204円 | 3,402円 |
5万円 | 1,020円 | 51,020円 | 17,008円 |
10万円 | 2,040円 | 102,040円 | 34,013円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
5回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 340円 | 10,340円 | 2,068円 |
5万円 | 1,700円 | 11,700円 | 10,340円 |
10万円 | 3,400円 | 103,400円 | 20,680円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
6回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 408円 | 10,408円 | 1,734円 |
5万円 | 2,040円 | 52,040円 | 8,775円 |
10万円 | 4,080円 | 104,236円 | 17,402円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
10回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 680円 | 10,680円 | 1,068円 |
5万円 | 3,400円 | 53,400円 | 5,340円 |
10万円 | 6,800円 | 106,800円 | 10,680円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
12回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 816円 | 10,816円 | 901円 |
5万円 | 4,080円 | 54,080円 | 4,506円 |
10万円 | 8,160円 | 108,160円 | 9,013円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
15回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 1,020円 | 11,020円 | 734円 |
5万円 | 5,100円 | 55,100円 | 3,673円 |
10万円 | 10,200円 | 110,200円 | 7,346円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
18回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 1,224円 | 11,224円 | 623円 |
5万円 | 6,120円 | 56,120円 | 3,117円 |
10万円 | 12,240円 | 112,240円 | 6,235円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
20回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 1,360円 | 11,360円 | 568円 |
5万円 | 6,800円 | 56,800円 | 2,840円 |
10万円 | 13,600円 | 113,600円 | 5,680円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
24回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 1,632円 | 11,632円 | 484円 |
5万円 | 8,160円 | 58,160円 | 2,423円 |
10万円 | 16,320円 | 116,320円 | 4,846円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
30回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 2,040円 | 12,040円 | 401円 |
5万円 | 10,200円 | 60,200円 | 2,006円 |
10万円 | 20,400円 | 120,400円 | 4,013円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
36回払いの場合
購入金額 | 手数料 | 支払総額 | ※月々の支払い金額目安 |
1万円 | 2,448円 | 12,448円 | 345円 |
5万円 | 12,240円 | 62,240円 | 1,728円 |
10万円 | 24,480円 | 124,480円 | 3,457円 |
※毎月の目安金額で手数料によって金額が数十円以内の単位で異なります。
3回払いから36回払いまでの分割払いシュミレーションを表でまとめると、回数や金額によって支払う手数料が大きく異なるのが分かると思います。
金額が1万円でも回数によって204円〜2,448円の差があり、金額が増えるごとに比例して手数料も増えています。
月の支払える金額を無理してしまうと延滞のリスクが生じるものの、安くしすぎると手数料の負担も大きくなります。
そのため、分割払いを利用する場合には、事前にシュミレーターなどを活用して、無理のない範囲で利用するのが望ましいと言えるでしょう。
まとめ
クレジットカードの分割払いは、高額な買い物でも月の支払いを安くすることができる便利な支払い方法です。
とは言え、手数料の支払いが必要なことや利用しすぎると延滞するリスクが生じるなど注意すべきポイントもあります。
月々の支払いが安くなるから、と言って使いすぎるのではなくご自身の収入などに合わせて適度な利用を心掛けることで、より上手く活用できる支払い方法と言えるのではないでしょうか。