クレジットカードを利用すれば、後払いで支払うことになるため決まった支払日にカード会社へ支払う必要があります。
クレジットカードと一括りに言っても、特典内容が異なると同じようにカードによって締め日や支払日も異なります。
クレジットカードを選ぶ際に、特典内容が重視されるのは当然ですが、クレジットカードの締め日と支払日もまた、意外と重要です。
なぜ、締め日と支払日が重要なのかについて、2つの関係性についてまとめていきます。
クレジットカードの締め日と支払日の関係性
クレジットカードには、必ず締め日と支払日が設けられています。
カードを利用する上で、知っておきたい締め日と支払日の関係性について理解していきましょう。
締め日とは支払金額が確定する日
締め日とはカード会社が定めた金額を確定するための日
締め日とは、カード会社が定めた一月で支払う金額を確定するための日取りを指します。
クレジットカードは、後払い決済ですが一月単位で締め日を設けて所定の支払日で支払うのが一般的です。
そのため、締め日はクレジットカードで利用した代金をいくら支払うのかの期間を判断するため必要となります。
支払日とは支払金額が引き落とされる日
支払日とは支払金額が引き落とされる日
支払日は、締め日に応じて確定した利用代金分を引き落とされる日のことを指します。
締め日と同様に、支払日もカード会社によって定められ決まった支払日を応じて支払う必要があります。
クレジットカードの支払いは口座引き落としが一般的ですので、支払日に利用した代金が口座から自動的に引き落とされます。
万が一、利用代金に満たない口座残高であれば、当然支払いができませんので、すぐに口座に入金するか、カード会社へ振り込みするかの対応が必要です。
クレジットカードの支払い遅れは、信用情報の悪化に繋がるため避ける必要があります。
支払う気があっても支払日を忘れることで遅れてしまう恐れもあるため、支払日はしっかり覚えておく必要があるでしょう。
締め日と支払日はどのように決まる？
締め日と支払日は、カード会社でそれぞれ定められており、選んだカードによって決まるのが基本です。
ただ、カード会社によっては、締め日と支払日のパターンがいくつか設けられていることもあり、利用するユーザーによって指定することができるカード会社もあります。
選択肢がないカード会社と選択肢のあるカード会社があるため、覚えておきましょう。
締め日と支払日の確認方法
締め日と支払日はクレジットカードによって異なります。
締め日と支払日の確認方法としては以下のような方法が挙げられます。
- カードの利用明細
- カード会社の公式HPや会員サイト
- カスタマーサービスへの問い合わせ
カードを利用した場合には、支払日前に利用明細が必ず届くため、利用明細を確認することで締め日や支払日を確認することができます。
ただし、利用明細の場合、締め日の記載がないこともあるため、どちらも確実に調べる場合はネットでの公式HPや会員サイトの閲覧やカスタマーサービスへの問い合わせで知ることができるでしょう。
締め日と支払日の具体例
実際に、楽天カードを利用した場合の締め日と支払日の関係性について見ていきましょう。
楽天カードの場合は、以下のような締め日と支払日が設けられています。
- 締め日:毎月月末
- 支払日:翌月27日
楽天カードの場合は、1日〜月末までに利用した金額を翌月の27日に口座から引き落としで支払われるということになります。
例えば、1万円の買い物を1月1日にした場合、それ以外1月に利用がなければ、2月27日に1万円引き落としされる仕組みです。
楽天カードの締め日は、月末なので月初めにカードを利用した分の支払いは、1ヶ月後の支払いというよりもほぼ2ヶ月後の支払いにすることができます。
そのため、より支払いを先延ばししたい場合は、締め日の期間を理解しておき、始めの期間で利用するのが適しています。
リボルビング払いの締め日と支払日
前述した支払いは、利用者の多い1回払いを例にしましたが、毎月決まった料金で支払うことができるリボルビング払いでは仕組みが異なります。
1回払いでは、締め日までに利用した金額分を全額支払日に払う必要がありますが、リボルビング払いは、支払日に5千円や1万円などの決まった金額のみを支払います。
例えば、締め日までに利用した金額が2万円であっても、リボルビング払いの設定額が5千円であれば支払日に払う金額は5千円です。
とてもお得に感じられますが、リボルビング払いは実質年率15％程度の利息が必ず発生するため、利用した金額よりも多く支払う必要があります。
また、残債が貯まりやすい支払い方法とも言えるため、利用には十分注意しましょう。
主要なクレジットカードの締め日・支払日の一覧
主要なクレジットカードの締め日・支払日を分かりやすく表にまとめました。
| 締め日 | 支払日 | |
| JCB CARD W | 毎月15日 | 翌月10日 |
| 三井住友カード（NL） | ①毎月15日 ②毎月月末 | ①翌月10日 ②翌月26日 |
| エポスカード | ①毎月4日 ②毎月27日 | ①翌月4日 ②翌月27日 |
| 楽天カード | 毎月月末 | 翌月27日 |
| JCB CARD W plus L | 毎月15日 | 翌月10日 |
| イオンカード（WAON一体型） | 毎月10日 | 翌月2日 |
| セゾンパール・アメリカン・エキスプレス®・カード | 毎月10日 | 翌月4日 |
| ライフカード | 毎月5日 | 当月27日 または翌月3日 |
| dカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| au PAYカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| ビュー・スイカカード | 毎月5日 | 翌月4日 |
| JCB一般カード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| P-oneカード＜Standard＞ | 毎月月末 | 翌々月1日 |
| 三菱UFJカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| セゾンカード インターナショナル | 毎月10日 | 翌月4日 |
| PayPayカード | 毎月月末 | 翌月27日 |
| Tカード Prime | 毎月月末 | 翌月27日 |
| メルカード | 毎月月末 | 選択可 |
| セブンカード・プラス | 毎月15日 | 翌月10日 |
| リクルートカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| 三菱UFJカード VIASOカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| JCBゴールド | 毎月15日 | 翌月10日 |
| ローソンPontaプラス | 毎月15日 | 翌月10日 |
| Orico Card THE POINT | 毎月月末 | 翌月27日 |
| Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード | ①毎月20日前後 ②毎月1日前後 ③毎月5日前後 | ①翌月10日 ②当月21日 ③当月26日 |
| 三井住友カード ゴールド（NL） | ①毎月15日 ②毎月月末 | ①翌月10日 ②翌月26日 |
| イオンカードセレクト | 毎月10日 | 翌月2日 |
| Visa LINE Payクレジットカード（P＋） | 毎月月末 | 翌月26日 |
| SAISON CARD Digital<SHEIN> | 毎月10日 | 翌月4日 |
| セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス®・カード | 毎月10日 | 翌月4日 |
表を見てもらうと分かる通り、ある程度締め日と支払日のパターンはいくつかありますが、同じパターンのカードもたくさんあります。
また、カードによっては、締め日や支払日の選択肢があるカード会社もあるため、参考にしてみてください。
クレジットカードの締め日から支払日までの流れ
クレジットカードの締め日から支払日までの流れとして、カード利用者・カード加盟店・カード会社3者の視点からそれぞれ見ていきましょう。
カード利用者の締め日から支払日までの流れ
カード利用者の締め日から支払日までの流れを締め日（1日〜月末）・支払日（27日）と仮定して説明すると以下の通りです。
- 1日〜月末までにカードを利用
- カード会社から翌月中旬頃に利用金額の明細通知（メールや会員サイトより）
- 翌月27日に登録している口座から引き落とし
上記3つのステップが、主なカード利用者の締め日から支払日までの流れとなります。
カード会社が定めた締め日に応じて利用した代金を支払日に払うというのが、クレジットカードの基本的な流れになりますので理解しておきましょう。
また、締め日から支払日までの期間に、カード会社がカード利用者の売上を集計するための期間が設けられています。
その期間カードの利用代金が確定するまでは支払い方法の変更も可能ですので、参考にしてください。
締め日後、数日以内での変更にはなるため使い過ぎた月などに利用する方も少なくありません。
カード加盟店の締め日から支払日までの流れ
続いては、カード加盟店から見た締め日から支払日までの流れです。
カード加盟店にもカード会社が定めた締め日と支払日が設けられています。
カード加盟店の場合、支払日は加盟店が支払うのではなく、カード会社が売上を立て替えるため代払日として扱われるのが一般的です。
また、カード加盟店の締め日は、契約しているカード会社によって締め日の期間が異なります。
一般的なのが1日〜15日までを締め日として、月末を支払日（代払日）と16日～月末までを締め日として翌月15日を支払日（代払日）とした月に2回締め日が設けられているケースです。
一般的なケースを例に解説すると以下の通りです。
- 1日〜15日までのクレジットカード決済による売上計上
- 1日〜15日までのカード利用代金売り上げ送付
- カード会社からの当月下旬頃代払明細書発行
- カード会社からの売上金入金（月末）
カード加盟店の場合は、お客がクレジットカードを利用した場合にすぐに現金が手に入るわけではなく締め日までの売上合計額をカード会社から入金されることで売上金が入ります。
例えば、1日〜15日までにクレジットカードで売り上げた金額が10万円の場合、月末にカード会社からカード加盟店に支払われることになります。
ただし、カード加盟店にはカード会社へ加盟店手数料を支払う必要があるため、料率は加盟店によって異なりますが3.0%であれば3,000円の手数料が差し引かれた9万7千円が支払われることになりますので、理解しておきましょう。
カード会社の締め日から支払日までの流れ
最後は、カード会社から見た締め日から支払日までの流れです。
カード会社の場合は、カード利用者とカード加盟店への締め日と支払日がそれぞれあります。
内容は前述した通りですが、まとめると以下の通りです。
【カード利用者の場合】
- カード利用者の利用
- 利用代金の集計・売上確定
- カードホルダーへの利用明細の発行
- 支払日の入金確認
【カード加盟店の場合】
- 加盟店の売上集計・売上確定
- 加盟店への代払明細の発行
- 加盟店への代払
それぞれの締め日と支払日のサイクルに応じて、処理をしていくことになるため、クレジットカードの利用においては、必ず3者間で仕組みが成り立っていることを理解しておきましょう。
クレジットカードの締め日と支払日を選ぶ際のポイント
クレジットカードの締め日と支払日は、意外と重要冒頭でお伝えしましたが、理由としてはタイミングによって支払いやすさや管理のしやすさが異なってくるからです。
より利用しやすくするためには、以下の3つの選ぶポイントを抑えておきましょう。
・支払日が給料日より後の方が安心
・経理処理的には締め日が月末になっているのが楽
・複数のカードを所有する人は近い日でまとめるかバラすかを検討
それぞれ解説していきます。
支払日が給料日より後の方が安心
クレジットカードを利用する際の支払日は、給料日の後で設定されている方が安心して使うことができます。
クレジットカードの支払いは、口座からの引き落としになるため、給料日後であれば残高不足による支払い遅れなどを防ぎやすくなります。
支払日をうっかり忘れてしまった場合でも、給料後であれば問題なく支払うことができることにも繋がりやすいので、安心です。
経理処理的には締め日が月末になっているのが楽
クレジットカードを仕事用で使う場合には、締め日が月末になっている方が管理がしやすくなります。
仕事で経費計上する場合は、月毎に行うためクレジットカードで経費を支払う場合には1日〜月末締めになっているカードを利用することで、経理処理も効率が良くなりますので、覚えておきましょう。
複数のカードを所有する人は近い日でまとめるかバラすかを検討
クレジットカードを複数枚利用している方は、支払日を近い日でまとめるか、バラすかを決めてから持つようにしましょう。
支払日が同じカードや近い日のカードを複数枚利用することで、一月単位の支払いがまとめてできた方が良いケースもあると思います。
一方で、支払日をバラす（支払日の間隔を空ける）ことで、一定期間でのまとまった支払額が少なくなるため、ご自身の収入状況や支払状況に合わせて、最適な支払いサイクルを選んでいきましょう。
クレジットカードの締め日・支払日に関するよくある質問
クレジットカードの締め日・支払日に関するよくある質問についてまとめていきます。
締め日・支払日を変更することはできる？
締め日・支払日は基本的には変更することができません。
カード会社によって締め日と支払日は定められているため、選択肢がないカード会社の方が多い傾向があるからです。
締め日・支払日を変更したい場合には、カード自体を変更するか選択肢のあるカード会社であれば変更することも可能なので、利用しているカードに選択肢があるか調べておきましょう。
締め日・支払日が土日祝の場合は平日に変更になる？
締め日は変更になることはありませんが、支払日は土日祝の場合、翌営業日の支払いとなります。
支払日が土日祝であれば、翌営業日の平日（銀行の営業日）が支払日となるため注意しましょう。
締め日当日、前日、数日前の買い物はどのように処理される？
締め日付近の買い物については、決済したサービスによっては反映されないことも多くあります。
理由としては、決済したサービスによって、売上確定になるまでの時間を要するため、締め日前に利用した買い物でも反映されないことがあるからです。
実店舗での買い物では、締め日当日でも反映されるケースが多いですが、ネットショッピングやガソリン代、ETC料金など売上の確定に時間がかかるケースでは次の締め日に反映されることも珍しくありませんので、覚えておきましょう。
支払日に引き落としが間に合わなかったらどうなる？
支払日に引き落としが間に合わなかった場合、自動振替ができずカード会社に支払遅延者としてデータが反映されることになります。
ただし、すぐに反映されるわけではなく、例えば支払日当日に口座へ入金しておけば自動振替してもらうことができます。
翌日以降であれば、カード会社へ連絡して振り込むことで支払遅延を免れるため、引落できなかった場合にはすぐに対応するようにしましょう。
まとめ
クレジットカードを選ぶ際のポイントとして、あまり重視されにくい締め日や支払日ですが、利用する上で支払いがクリーンにされていることはとても重要です。
支払いができていない場合には、カードの利用が停止されたり、信用情報が悪化したりと良いことはありません。
そうならないためにも、ご自身に合った締め日や支払日を選択することでより使いやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
