カードローンには、銀行系や消費者金融系、信販系などの種類があります。
この中で、銀行系カードローンは、消費者金融系や信販系のカードローンとは違っており、金利にも違いがあります。
そこで、
- 銀行系カードローンの金利の仕組み
- 銀行系カードローンの金利から利息を計算する方法
- 銀行系と他カードローン金利の違い
- カードローンの利便性や特典の重要性
など、銀行系カードローンの金利や他のカードローンとの違いなどをまとめました。
銀行系カードローンの金利の仕組み
銀行系カードローンの金利の仕組みについて、決定方法や利息との関係性を解説します。
銀行系カードローンの金利とは?
銀行系カードローンとは、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行(3大メガバンク)のほか、地方銀行、信用金庫による融資サービスのことです。
カードローンには、銀行系の他に消費者金融系や信販系があります。
金利とは、借入金額に対する利息の割合のことで、パーセンテージで表されます。
カードローンの公式サイトでは、「実質年率」「年利」などと記載されています。
銀行系カードローンの金利は、他のカードローンと比べ低くなっており、銀行系という理由で安心感があるというメリットもあります。
金利の決定方法
カードローンの金利は、どのように決定されるのでしょうか。
金利については、利息制限法と出資法で上限金利が次のように決まっています。
法律上の上限金利
元本(借入金額) | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円~100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
このように、法律で上限金利が決まっているため、上限金利を超えた貸付は無効となります。
そのため、銀行系カードローンの金利も上限金利を超えないように設定されています。
例えば、三井住友銀行カードローンの場合、借入利率(年利)は、次の範囲に決まっています。
年1.5~14.5%
実際の借入利率は、審査結果に基づく利用限度額によって決まります。
利用限度額は、
10~800万円
の範囲と決められています。
具体的な利用限度額ごとの借入利率は、次のとおりです。
利用限度額 | 借入利率 |
---|---|
100万円以下 | 年12.0%~14.5% |
100万円超 200万円以下 | 年10.0%~12.0% |
200万円超 300万円以下 | 年8.0%~10.0% |
300万円超 400万円以下 | 年7.0%~8.0% |
400万円超 500万円以下 | 年6.0%~7.0% |
500万円超 600万円以下 | 年5.0%~6.0% |
600万円超 700万円以下 | 年4.5%~5.0% |
700万円超 800万円以下 | 年1.5%~4.5% |
金利と利息の関係性
金利と利息の意味は似ていますが、同じではありません。
「金利」とは、借入金額に対する利息の割合のことで、「パーセンテージ」で表されます。
一方、「利息」とは、金利によって決められた支払金額のことで、「円」で表されます。
例えば、300万円を借り入れ「金利」(年利)が10%だった場合、「利息」は30万円になります。
また、金利とともによく使われる用語として、「実質年率」があります。
「実質年率」とは、「利息」に手数料や保証料などの諸費用を加えて計算した「実質的な金利」のことです。
そのため、金利と同じくパーセンテージで表されます。
ただし、手数料や保証料は無料のことが多いため、実質年率と金利は同じことが多いです。
利息と利子は、両方ともよく使われますが、ほとんど同じ意味と考えて問題ありません。
銀行系カードローンの金利から利息を計算してみよう
実際に、銀行系カードローンの金利から利息を計算してみましょう。
また、銀行系カードローンのシミュレーション表をまとめましたので、参考にしてください。
銀行系カードローンの金利から利息を計算する方法
利息を求めるための計算式は、次のようになります。
利息金額 = 借入金額 × 金利(年率)÷ 365日 × 借入日数
この計算式を使って、銀行系カードローンの利息を計算してみたいと思います。
例1:三井住友銀行カードローン
三井住友銀行カードローンを、次の条件で借り入れた場合の利息を計算します。
借入金額:300万円
金利(年率):10%
借入日数:180日
利息金額 = 300万円 × 0.1 ÷ 365日 × 180日 = 147,945円
したがって、300万円を借り入れて180日後に返済すると、利息は147,945円になることから、返済額は次のようになります。
3,147,945円(元本(300万円)+利息)
参考:三井住友銀行公式サイト
例2:三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」を、次の条件で借り入れた場合の利息を計算します。
借入金額:300万円
金利(年率):10%
借入日数:365日(1年)
利息金額 = 300万円 × 0.1 ÷ 365日 × 365日 = 30万円
したがって、300万円を借り入れて1年後に返済すると、利息は30万円になることから、返済額は次のようになります。
3,300,000円(元本(300万円)+利息)
参考:三菱UFJ銀行公式サイト
例3:みずほ銀行カードローン
みずほ銀行カードローンを、次の条件で借り入れた場合の利息を計算します。
借入金額:300万円
金利(年率):7.0%
借入日数:365日(1年)
利息金額 = 300万円 × 0.07 ÷ 365日 × 365日 = 209,999円
したがって、300万円を借り入れて1年後に返済すると、利息は209,999円になることから、返済額は次のようになります。
3,209,999円(元本(300万円)+利息)
参考:みずほ銀行公式サイト
以上の3つのカードローンを表にまとめると、次のようになります。
三井住友銀行 カードローン | 三菱UFJ銀行カードローン 「バンクイック」 | みずほ銀行 カードローン | |
---|---|---|---|
借入金額 | 300万円 | 300万円 | 300万円 |
金利(年率) | 10% | 10% | 7.0% |
借入日数 | 180日 | 365日 | 365日 |
利息金額 | 147,945円 | 300,000円 | 209,999円 |
3大メガバンクの中では、300万円借り入れた場合、みずほ銀行カードローンの金利が最も安くなります。
そのため、金利以外同じ条件の三菱UFJ銀行カードローンよりも利息金額が安くなっています。
銀行系カードローンのシミュレーション表
シミュレーションツールを使って、銀行系カードローンのシミュレーションを実施し、次のように表にまとめました。
銀行系カードローンのシミュレーション表
借入金額 | 金利 | 返済回数 | 合計利息額 | 合計返済額 |
---|---|---|---|---|
50万円 | 年12.0% | 1回 12回 24回 | 4,999円 33,088円 64,864円 | 54,999円 533,088円 564,864円 |
年14.0% | 1回 12回 24回 | 5,833円 44,893円 76,144円 | 505,833円 544,893円 576,144円 | |
100万円 | 年12.0% | 1回 12回 24回 | 9,999円 66,176円 129,752円 | 1,009,999円 1,066,176円 1,129,752円 |
年14.0% | 1回 12回 24回 | 11,506円 77,444円 152,288円 | 1,011,506円 1,077,444円 1,152,288円 | |
150万円 | 年10.0% | 1回 12回 24回 | 12,500円 82,476円 161,208円 | 1,512,500円 1,582,476円 1,661,208円 |
年12.0% | 1回 12回 24回 | 14,999円 99,276円 194,640円 | 1,514,999円 1,599,276円 1,694,640円 | |
200万円 | 年10.0% | 1回 12回 24回 | 16,666円 109,972円 214,936円 | 2,016,666円 2,109,972円 2,214,936円 |
年12.0% | 1回 12回 24回 | 19,999円 132,364円 259,504円 | 2,019,999円 2,132,364円 2,259,504円 |
参考:三井住友銀行公式サイト
カードローンの金利を比較する際に確認すべき2点
カードローンの金利を比較する際、確認すべきことが2点あります。
2点とは、適用金利表と上限金利です。
- 適用金利表
- 上限金利
それぞれについて、解説します。
1.適用金利表
銀行系カードローンに限らず、カードローンの場合、審査結果に基づく利用限度額によって適用される金利(適用金利)が決まります。
具体的な利用限度額や借入利率は、カードローン会社によって違っています。
すでに解説した三井住友銀行カードローンの利用限度額ごとの借入利率は、次のようになります。
利用限度額 | 10~800万円 |
借入利率 | 年1.5~14.5% |
利用限度額ごとの借入利率の詳細は、次のとおりです(再掲)。
利用限度額 | 借入利率 |
---|---|
100万円以下 | 年12.0%~14.5% |
100万円超 200万円以下 | 年10.0%~12.0% |
200万円超 300万円以下 | 年8.0%~10.0% |
300万円超 400万円以下 | 年7.0%~8.0% |
400万円超 500万円以下 | 年6.0%~7.0% |
500万円超 600万円以下 | 年5.0%~6.0% |
600万円超 700万円以下 | 年4.5%~5.0% |
700万円超 800万円以下 | 年1.5%~4.5% |
一方、みずほ銀行カードローンの利用限度額ごとの借入利率(借入金利)は、次のようになります。
利用限度額 | 10~800万円 |
借入利率 | 年1.5~14.5% |
利用限度額ごとの借入利率の詳細は、次のとおりです。
利用限度額 | 借入利率 |
---|---|
100万円未満 | 年14.0% |
100万円以上 200万円未満 | 年12.0% |
200万円以上 300万円未満 | 年9.0% |
300万円以上 400万円未満 | 年7.0% |
400万円以上 500万円未満 | 年6.0% |
500万円以上 600万円未満 | 年5.0% |
600万円以上 700万円未満 | 年4.5% |
700万円以上 800万円未満 | 年2.0% |
三井住友銀行カードローンとみずほ銀行カードローンを比較すると、利用限度額は同じですが、借入利率は少し違っています。
最低金利は三井住友銀行カードローンのほうが低く、最高金利はみずほ銀行カードローンのほうが低くなっています。
2.上限金利
カードローンの金利を比較する際、確認すべきことの2点目は「上限金利」です。
上限金利とは、法律(利息制限法・出資法)で定められた上限の金利のことです。
すでに解説した銀行系カードローンの適用金利は、上限金利の範囲内で設定されています。
法律上の上限金利(再掲)
元本(借入金額) | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円~100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
銀行系と他カードローンで金利はなぜ違う?
銀行系カードローンと他カードローンの金利は、なぜ違っているのでしょうか。
ここでは、カードローン会社ごとに金利が違う理由について、銀行系カードローンを中心に解説します。
カードローン会社ごとに金利が違う理由
カードローン会社ごとに金利が違うのは、カードローン会社の種類ごとに金利が違っているからです。
カードローン会社には、大きく分けて銀行系とノンバンクの2種類があります。
ノンバンクとは、預金を取り扱っていない金融会社のことで、消費者金融会社、信販会社、クレジットカード会社などが挙げられます。
つまり、銀行系以外のカードローン会社はノンバンクということです。
カードローン会社ごとに金利が違うのは、銀行系とノンバンクの金利が違っているからです。
銀行系のほうがノンバンクよりも金利が低くなっています。
銀行系と消費者金融系カードローンの金利の違い
銀行系カードローンの金利は、消費者金融系カードローンよりも低い傾向にあります。
というのは、銀行系カードローンには、保証会社が必要とされているからです。
保証会社とは、融資を受けた人が返済不能になった場合、本人に代わって返済してくれる会社のことです。
通常、銀行系カードローンの保証業務を行っているのは、保証会社です。
そのため、銀行系カードローンの金利は、消費者金融系カードローンよりも低い傾向にあります。
銀行系と信販系カードローンの金利の違い
銀行系カードローンの金利は、信販系カードローンよりも低い傾向にあります。
この理由は消費者金融系カードローンと同じく銀行系カードローンには、保証会社が必要とされているからです。
信販系カードローンとは、信販会社によるカードローンサービスのことです。
信販会社とは、ショッピング枠を設定したクレジットカードを発行して、カード利用者の信用による立替業務(信用販売)を行う会社のことです。
信販会社には、オリコやクレディセゾンなどがあります。
銀行系、消費者金融系、信販系カードローンの金利を比べると、銀行系、信販系、消費者金融系カードローンの順に金利が高い傾向があります。
金利が低いだけがいいとは限らない
銀行系カードローンは、消費者金融会社や信販会社などのノンバンクよりも金利が低くなっています。
しかし、金利が低いことだけがいいとは限りません。
というのは、銀行系カードローンには、「金利が低い」「総量規制の対象外」などのメリットがある一方、「審査が厳しい」「審査期間が長い」などのデメリットがあるからです。
カードローンは金利以外にも利便性や特典も重要!
カードローンの利用を検討する場合、金利の低さに注目してしまいがちです。
しかし、金利以外にも重要なのが利便性や特典です。
ここでいうカードローンの利便性や特典とは、消費者金融系カードローンにおける「30日間の無利息サービス」や楽天銀行スーパーローンの楽天会員ランクによる審査優遇、銀行やコンビニなどのATM利用手数料無料などのことです。
まとめ
銀行系カードローンの金利は、他のカードローンと比べると低くなっています。
ただし、銀行ごとに適用金利は違っています。
この記事では、3大メガバンクのカードローン金利から利息を実際に計算しました。
その結果、利用限度額ごとの借入利率が違っているため、若干の違いがありました。
銀行系カードローンと他カードローンの金利には、違いがあります。
銀行系以外のカードローンとしては、消費者金融系や信販系などのノンバンクのカードローンがあり、ノンバンクよりも銀行系カードローンの金利のほうが低くなっています。
カードローンには、金利以外にも重要な要素として利便性や特典があります。
そのため、銀行系カードローンを含めてカードローンの利用を検討する際は、金利以外にも利便性や特典をチェックする必要があります。