カードローンは基本的には毎月決まった金額を、決まった分割回数で返済をしていきます。この毎月の返済額に任意で上乗せした金額を追加した繰り上げ返済も存在します。
また返済方法は口座振替がメインですが、ATMや振り込み対応も可能です。
初めて利用する方にとっては、「カードローンの返済自体どうやってしたらいいの?」と言うように、分からないことも多いことでしょう。
カードローンは、いざという時に非常に役立つサービスであるため、利用前にカードローンの返済方法を知っておくことで、より効率的に利用することができます。
カードローンの返済方法と効率的な利用方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
カードローンの返済方法は2種類
カードローンの返済については、返済日や返済金額などは、ローン会社によって異なります。
しかし、返済方法は共通で、以下の2つがあります。
・約定返済(やくじょうへんさい)
・繰上返済(くりあげへんさい)
それぞれの返済方法について見ていきましょう。
1.約定返済とは?
約定返済は、カードローンを契約する際にローン会社と取り決めた日にちに、毎月返済する方法を言います。
毎月の決められた返済額を、約定日までに返済する方法で、カードローンでは約定返済が一般的です。
三井住友カードローンを例にすると、カードローン契約時に以下の約定日から選択できます。
- 毎月5日
- 毎月15日
- 毎月25日
- 毎月月末
約定日が決められることは、毎月の返済しやすい日を決められることにもなるため、利用しやすいですが全てのカードローンで選べるわけではありません。
カードローンを利用する中で、返済日はとても重要なので、事前に約定日を理解しておく必要があるでしょう。
2.繰上返済(臨時返済)とは?
繰上返済は、約定返済とは別にカードローンの残高を返済する方法を言います。
カードローンを利用している際に、少しでも早く完済したい場合に、繰上返済をすることで残高を減らす、もしくは一括精算することができます。
カードローンによっては、繰上返済できる金額がいくら以上と決まっているケースもあるので、事前に調べておくのがいいかもしれません。
約定返済の返済方式は2種類
カードローンで一般的な返済方法の『約定返済』ですが、利用するサービスによって異なる以下の2つの返済方式があります。
・元利定額返済方式
・残高スライド元利定額返済方式
2つの返済方式によって、約定返済額や返済回数が異なるため、それぞれの返済方式についても理解していきましょう。
1.元利定額返済方式とは?
元利定額返済方式とは、毎月決まった額を初回から完済月まで基本的には一定額で返済する仕組みです。
カードローンを利用した場合には、金利がかかることはお伝えしましたが、返済額には元金と利息の合計金額が、毎月の返済額として決められます。
元利定額返済方式の場合、元金と利息の合計を毎月定額にした返済方式になるため、返済額が固定で管理がしやすいのが特徴です。
金利に応じて、元金と利息が返済するごとに増減しますが、毎月の返済額は定額なので初回の返済から完済までの見通しが分かりやすいのが特徴です。
2.残高スライド元利定額返済方式とは?
残高スライド元利定額返済方式は、定額での返済というところは変わりませんが、残高に応じて返済額が変わる返済方式です。
残高スライド元利定額返済方式も、元金と利息の合計を毎月定額にした返済方式という点には変わりありません。
しかし、残高が減ることによって、定額の返済額も減ることが、残高スライド元利定額返済方式の特徴です。
例えば、毎月20,000円の返済額で利用していた場合に、一定額返済することによって、毎月18,000円→毎月16,000円と定額の返済額が変動する返済方式を言います。
残高スライド元利定額返済方式は、月々の返済額が下がることによって返済が楽になるメリットがある一方で、返済期間が長くなる傾向があるため、メリット・デメリットについては理解しておく必要があるでしょう。
カードローンの返済支払方法は4種類
続いては、カードローン利用時の返済支払方法について見ていきましょう。
利用するカードローンによっても方法は異なりますが、主に以下の4つの方法で利用することができます。
・口座振替
・ATM・店頭入金
・銀行振込
・WEB
それぞれの返済支払方法について見ていきましょう。
1.口座振替
カードローンの返済方法で一般的に利用されているのが口座振替です。
カードローン契約時に口座を登録しておくことで、毎月の約定日に自動振替することができるため、返済の手続きなども不要です。
口座振替であれば、返済時の手数料も不要になるため、無駄な費用も支払う必要がありません。
当然ではありますが、約定日に返済額より残高が少ない場合には、返済できていないため延滞には注意が必要です。
2.ATM・店頭入金
ATMや店頭窓口への入金による返済方法もあります。
ATMでの返済は、コンビニATMや銀行ATMから利用しているカードローンのカードやアプリを利用して返済することができます。
一般的にはATMによる返済で手数料無料で設定されているカードローンも多いですが、利用するATMなどによっては手数料が110円〜220円程度かかることもあるため注意しましょう。
店頭窓口があるカードローンの場合は、直接窓口で支払うことで手数料なしで返済が可能です。
近くに店舗窓口がないケースもあるため、利用する場合には事前に確認しておくのが望ましいでしょう。
3.銀行振込
銀行振込による返済方法もあります。
キャッシュカードやネット銀行から直接カードローンの指定口座に入金することで返済が可能です。
返済する口座を登録しておくことで2回目以降は簡単に返済することもできますが、手数料がかかる傾向があるのと、指定日までに振込作業を忘れると遅延損害金などが発生する可能性があるので注意が必要です。
4.WEB
カードローンのWEBサイトからインターネットバンキングを使って返済する方法もあります。
カードローンの会員サイトにログインして、返済することができ、お持ちの口座から直接返済が可能です。
振込手数料も無料で利用できるケースが多く、また、返済後はすぐに残高が反映できるカードローンもあるため、残高などの管理がしやすいのが特徴と言えるでしょう。
カードローンの返済計算方法
カードローンを返済していく中で、どのくらいの利息や返済額になるのかを知っておくことは非常に重要です。
カードローンは、とても便利なサービスである一方、計画的に利用しなければ返済に苦労するケースも珍しくありません。
しっかりとカードローンの返済計算方法について理解していきましょう。
利息の計算方法
カードローンを利用した場合の利息は、以下のように計算されます。
利用金額×融資年率(年利)×利用日数÷365日(うるう年の場合は366日)
カードローンの利息は、日割り計算で発生するため返済額が大きくなるほど、返済期間が長くなるほど多くなるのが特徴です。
そのため、カードローンを利用する場合には、必要な額をより短い期間で借りることで、少しでも金利による利息を抑えることができます。
また、前述したような繰上返済を利用するなどして、早期返済をすることは利息を減らすことができるので覚えておきましょう。
返済合計額の計算方法
返済合計額の計算方法は、単純に毎月の返済額と回数を掛けることで計算できるため、利息の計算方法よりは非常にシンプルです。
返済合計額から借入額を引いた金額が、利息として払った額とも言えるため、どのくらい利息を支払うのかも確認することができます。
カードローンの金利は、決して低い金利ではないため、事前にどのくらいの利息が必要になるかを知っておくことも重要と言えるでしょう。
カードローンの返済シミュレーション
カードローンの返済シュミレーションは、各カードローンのホームページから利用することができるため、ご自身が利用する際には事前にどれくらいの利息がかかるのかを知っておくのが望ましいです。
利用するカードローンや期間によって、毎月の返済額や支払総額が変わるため、カードローンを利用する場合には各社の利用条件を確認しながら選ぶようにしましょう。
では、実際に借入額40万円を例として、いくつか比較したケースを表にまとめました。(返済シュミレーションは三井住友カードローン・アコムを使用)
借入額 | 金利(実質年率) | 返済額 | 返済期間 | 支払総額 | |
例1 | 400,000円 | 14.5% | 9,411円 | 60ヶ月 | 564,649円 |
例2 | 400,000円 | 15.0% | 9,515円 | 60ヶ月 | 570,937円 |
例3 | 400,000円 | 14.5% | 13,768円 | 36ヶ月 | 495,648円 |
三井住友カード返済シュミレーション:https://www.smbc.co.jp/kojin/cardloan/payment_simulation/init1/result.html?a1=60&a2=36&a3=14.5
アコム返済シュミレーション:https://www.acom.co.jp/return/simulation/amount/
まず、金利の比較ですが14.5%と15.0%の金利で、0.5%の金利差ではありますが、60ヶ月の返済期間の場合、支払総額に6,288円の差が生じます。
また、同じ金利のカードローンでも、例1と例3のように返済期間を2年短くすることで、69,001円の利息を減らすことができます。
このように、カードローンを利用する上では、なるべく低い金利や返済期間を短くすることで、利息を減らすことができるため、念頭に置いてカードローンを利用するのが望ましいと言えるでしょう。
カードローンを効率的に返済する3つのコツ
カードローンを利用する上では、しっかりと計画的に利用する必要があります。
そのためにもカードローンを効率的に返済することで、より上手くカードローンを使うことができるはずです。
カードローンを効率的に返済するコツとしては、以下の3つを押さえておきましょう。
・返済プランを立てる・見直す
・繰上返済を活用する
・返済にかかる手数料を減らす
それぞれ見ていきましょう。
1.返済プランを立てる・見直す
カードローンを利用する目的は、当然お金を借りることですが、利用する場合には返済の見通しまで考える必要があります。
カードローンでお金を借りて、返済ができない場合には、信用情報が悪くなり将来的にクレジットカードやカードローン、住宅ローンなどの利用ができなくなります。
とは言え、無理のない範囲でしっかりとした返済プランを立てる・見直すことで滞りなく、効率的に利用することもできるはずです。
ポイントとしては、利用前にしっかりと返済シュミレーションを利用して、ご自身が毎月返済できる範囲で利用するようにしましょう。
また、カードローンを申し込みする際に、借入希望額を入力しますが、ローン会社の初めのプランであれば返済額が低く設定されていることも多いです。
その際は、できる範囲で返済額を増やすことで、より効率的に利用することができます。
しっかりと事前に返済プランを立てること、利用する前にしっかりと見直すことがとても重要と言えるでしょう。
2.繰上返済を活用する
カードローンの返済を約定返済のみに頼らず、繰上返済を活用することでより効率的な利用に繋がります。
繰上返済を活用することで、契約時に計画していた返済期間よりも早期で完済することができます。
もちろん、早期で完済することにより支払う利息も減らすことができるため、多めに返済できる時には繰上返済を利用するようにしましょう。
3.返済にかかる手数料を減らす
返済にかかる手数料を減らすことも効率的に利用するコツと言えるでしょう。
前述した2つのコツに比べると、微々たることになるかも知れませんが、毎月の返済時にかかる手数料も回数が増えると大きな出費です。
口座振替やWEBからの返済を利用することで、毎月の手数料を減らすことができるため、手数料も利息の一つと考えて効率的に利用していきましょう。
カードローンの返済に関するよくある質問
カードローンの返済に関するよくある質問をまとめましたので、いくつか見ていきましょう。
カードローンの返済が延滞したらどうなる?
カードローンの返済が延滞した場合には、以下のようなリスクが生じます。
- 遅延損害金を支払う必要がある
- 追加の借り入れができなくなる
- 信用情報に傷が付く
カードローンを返済することで、遅延損害金による追加の費用を支払う必要があります。
返済が遅れた日数に対して年15〜20%の遅延損害金が発生するので注意しましょう。
また、延滞時には追加の借り入れができなくなり、信用情報の悪化により他の金融商品も組めなくなるなどリスクが大きいので、返済はしっかりとする必要があります。
カードローンの返済が難しい場合はどうする?
カードローンの返済が難しい場合には、一度ローン会社に相談してみるのがいいかもしれません。
可能であれば毎月の返済額を減らしてもらえるなど、何かしらの対処をしてもらえるかもしれませんので、返済が出来ないからと言って放置するのではなく、まずは相談するようにしてみてください。
月々の返済額や返済日は変更可能?
返済日については変更できるカードローンもありますが、返済額については変更できないケースがほとんどです。
リボ払とカードローンの違いは?
リボ払とカードローンの違いは以下のようなことが挙げられます。
リボ払 | カードローン | |
金利 | 年15〜18% | 年3〜15% |
利用可能枠 | 少なめ | 多い |
リボ払いよりもカードローンが金利が低い傾向があります。
そのため、リボ払いを利用している方でもカードローンに乗り換えることで、利息が下がるケースも珍しくありません。
また、利用できる枠もリボ払いの場合、クレジットカードのショッピング枠になるため、カードローンに比べると少ない傾向があります。
無理のない返済方法でカードローンを利用しよう
カードローンを利用する上で、知っておくべきことはいくつかありますが、カードローンの返済においては、以下の3つのコツを覚えておきましょう。
・返済プランを立てる・見直す
・繰上返済を活用する
・返済にかかる手数料を減らす
カードローンは負のイメージを持たれやすいですが、コツをしっかり押さえて効率的な利用をすることで、便利なサービスと言えます。
しっかりとポイントを押さえて、無理のない返済方法でカードローンを利用していきましょう。